KIYO ディナーカトラリーシリーズ
料理の本当の味が伝わる、世界初オールジルコニアのカトラリーです。
KIYOは日本らしさを表したシリーズです。
通常のカトラリーは、遷移金属の酸化作用によって脂質を分解し、金属臭を発生させます。細胞膜は脂質で出来ているので、細胞壁を持たない動物の細胞、例えば、肉や魚、人の口などは、かんたんに金属臭を発生させます。それによって、金属製のカトラリーを口に入れると、発生した金属臭は口の中から鼻に抜けて、料理の風味を覆い隠します。
ジルコニアは、医療用インプラントに使われるセラミックスです。何十年と体の中に入れておいても、化学的な刺激を与えません。ジルコニアでカトラリーをつくれば、料理の本当の味が分かるカトラリーになります。
KIYOは「清らかさ」から名付けました。素材となっている純粋なジルコニアは、宝石のように硬く、金属のようにしなやかで、陶磁器のように金属アレルギーがありません。
先端から柄まで、全体がジルコニアでできており、一体感のあるモデルです。
ジルコニアの加工工程は、伝統的な陶磁器と同様に成形と焼成から成ります。しかし、陶磁器における焼成での寸法変化が5%~15%程度であるのに対して、ジルコニアでは30%もあります。そのため、焼成工程で変形や割れが多く、大きな製品を作るのは困難です。その問題を解決するため、2019年に発表したSUMUシリーズでは、先端のみにジルコニアを使用しました。そして柄には、特殊な耐久性の高いレジンを使用しました。しかし理想とする性質を求めると黒しか作れませんでした。
世の中には、実用的な白いカトラリーが存在せず、全体を一体化した、完全に白いカトラリーへの要望がありました。そのため、私たちは更に技術開発を進め、2020年末に小さめのKIYOデザートシリーズを発表し経験を重ねたのち、2021年にはディナーシリーズに挑戦しました。
KIYOディナースプーン
商品寸法:188 mm x 37 mm x 27 mm
重さ:25.5 g
KIYOディナーフォーク
商品寸法:188 mm x 24 mm x 33 mm
重さ:20.6 g
KIYOディナーナイフ
商品寸法:197 mm x 8 mm x 8 mm
重さ:23.6 g
会社紹介
鰹節から引いたダシの味見をしたとき、スプーンを使うよりも器から直接の方が風味を強く感じました。それによって、金属臭が風味を隠していると気づきました。金属が、酸化作用によって脂質を分解し、金属臭を発生させるからです。とはいえ陶磁器や木のスプーンは、使いづらかったり、耐久性がなかったりします。そこで、金属よりも高い強度を持つジルコニア・セラミックスでの制作を決意しました。
大量生産前提のプラスチックの加工法を応用したジルコニアの加工法は、型の中に原料を流し込む際のコントロールが難しく、製品に皺ができます。その問題に対して私たちは、この技術を手工業と捉え直して挑みました。一般的には一つの型から同時に複数の製品を作りますが、私達は一つだけにして、加工時間も長くして解決しました。自動で製品を型から剥がす機工も、製品に痕をつけてしまうため設置せず、一つ一つ手で取り出すことにしました。それに続く焼成の工程で起こる、陶磁器の場合よりも大きな変形に対しては、試作を繰り返すことで専用の台座を開発して、抑制しました。
いずれはジルコニアのカトラリーで、世界中の人に料理の本当の味を知ってもらいたいと思います。